Shape memory
alloy spring形状記憶合金ばね
形状記憶合金とは?
形状記憶合金とは、適当な形状に加工し、熱処理を施すことにより、その形状を記憶させる事が出来る合金です。
記憶処理された合金は、ある温度以下で力を加えて変形させたとしても、加熱をすれば元の記憶させた形状に戻る不思議な特性を持ちます。
このような特性を示す合金は数十種類ありますが、Ti-Ni形状記憶合金 が最も実用例が多く一般的です。
バイアス式二方向性アクチュエータ
この動画は、形状記憶合金ばね(Spring Ti-Ni)とステンレス製ばね(Spring SUS304)が、互いに押し合うように組み込まれている、バイアス式二方向性アクチュエータです。
形状記憶合金ばねは、温度変化によりばねの強さが変化します。温度が低い時(COOL)は、形状記憶合金ばねの力は弱くなり、軸は右方向へ動きます。温度が高い時(HOT)は、形状記憶合金ばねの力は強くなり、軸は左方向へ動きます。
このように、形状記憶合金ばねをステンレス製ばねのようなバイアスと組み合わせることにより、温度変化で動作するアクチュエータとして使用することが出来ます。
温度と荷重の関係
①
【材質】
TiNi-Fe, -Co, -Cr
【主な作動開始温度】
-5℃~25℃
【特徴】
・低温域の動作に適した素材
・温度ヒステリシスは1~3℃以内
・長寿命のアクチュエータ向き
②
【材質】
TiNi
【主な作動開始温度】
25℃~55℃
【特徴】
・最もポピュラーな素材
・温度ヒステリシスは1~3℃以内
・長寿命のアクチュエータ向き
③
【材質】
TiNi-Cu
【主な作動開始温度】
45℃~60℃
【特徴】
・高温域の動作に適した素材
・温度ヒステリシスは10℃程度
・低温時の荷重が非常に小さい
・大振幅のアクチュエータ向き
・通電アクチュエータ向き
形状記憶合金ばねは、低温では柔らかく(弱く)、高温では硬い(強い) 特性が得られます。
これ1つで 『温度センサー』 と 『アクチュエータ』 の両方の役割を担います。
グラフに示しているのは、形状記憶合金ばねを JIS H 7105 に定められた方法で測定した際の、温度と荷重の関係を表したグラフです。
材料の種類、主な作動開始温度の範囲、特徴をご紹介しています。
チタンとニッケルの合金のため、耐食性に優れ、軽い(比重が小さい)という特徴もあります。
当社では、使用条件に合わせて材料を選定し、ばね形状や加工方法で荷重や作動開始温度を均一に整えます。作動開始温度は、要求値±1℃以内 の安定した製品のご提供が可能です!